一石五輪塔

花崗岩 総高 41cm




 蓮花寺境内、代々の住職供養塔が立っている墓地内にある。石材はこのあたりの中世石造物に使われている石英粗面石でなく、表六甲の御影の石である。特別の注文を受けた御影の石工が刻み、六甲越えで運ばれてきたものだろう。上部の宝珠・受花が欠損、笠石・塔身。基礎の正面に東方発心門の種子、基礎部のところに二行「長亨三(1489)、為良真」と陰刻されている。被供養者良真は寺宝として残っている両界曼荼羅図の由来を文安5年(1448)に裏書した祐筆である。
市内では中世の在銘一石五輪塔はこの1基だけである。

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